
症例紹介:谷山洋三 54M
膵頭部癌、リンパ節転移、局所再発
Cancer of the pancreatic head was diagnosed in May 2025; surgery was performed in September, and lymph node metastasis was detected in October. Chemotherapy was administered around the time of surgery, continuing through November. A local recurrence was identified in December and gradually enlarged, but the patient refused aggressive treatment. He chooses home-based palliative care and a natural dying process.
•既往症:潰瘍性大腸炎(1997〜2009年?)、十二指腸潰瘍(2002年)、適応障害によるうつ状態(2010〜2012年)
•2025年5月7〜16日 下腹部激痛によりAクリニック受診、B病院紹介され緊急入院。膵頭部に2cmの腫瘍を認め「悪性の疑い」、内視鏡下で胆管ステント挿入・生検。
•5月20〜27日 CクリニックでPET検査、「膵尾近くに血腫の疑い」。同日夕方にB病院に緊急入院、CTでWON確認、腫瘍の悪性確認。
•6月16〜19日 腹腔鏡下検査のためB病院入院、推定ステージⅡA、D大学病院でのセカンドオピニオン検討を撤回。
•6月25日 術前化学療法(ゲムシタビン+S-1)をB病院外来で開始。
•7月28日〜8月1日 急性胆管炎及び閉塞性黄疸によりB病院に緊急入院、胆管ステントを再挿入。
•8月13日 術前化学療法2クール終了、胆管ステントが大腸にあることを確認(化学療法により30%腫瘍が退縮:Grade2)。
•9月9日〜10月11日 膵頭十二指腸切除術、体重は15%減少。
•10月22日 病理検査でリンパ節転移がみつかりステージⅡB確定、術後化学療法(S-1)開始。
•12月10日 術後化学療法を第2クール開始前に離脱。CTで膵臓残存部13mmの影あり。
•2026年3月11日 CTで18mmの影あり、PETで確認も結果は「局所再発疑い」のまま。
•6月17日 CTで23mm程度の影あり、半年前から増大していることから「局所再発」で確定。
•7月15日 CTで30mm程度の影あり、腹水がたまり始めている可能性あり。B病院から在宅ケア専門のCクリニックへの紹介状を書いてもらう。
•7月29日 Cクリニック医師と外来で面談。頓服で弱オピオイド開始。
看取り隊とコンパッション・コミュニティ
My Mitori-tai, or EOL Care Supporters, is composed of my former students and colleagues in the care sector from all over Japan. 'Mitori' means EOL Care, 'tai' means a team and also 'to want to'. I myself will become a living textbook for them. Although I have few supporters in Sendai area, I believe, it can be unique model of 'compassionate communities'.

「コンパッション・コミュニティ」とは、病気、老い、死、悲しみ、ケアといった人生の避けがたい課題を、専門家だけに任せるのではなく、コミュニティ全体で支え合うという考え方です。「看取り隊」は、このビジョンを具現化するための活動例として位置づけることができます。一人の死をコミュニティで共に分かち合い、孤立を防ぎ、最期まで尊厳を持って生きられる社会を目指して、私たちは対話を重ね、学び続けていきます。
私が「コンパッション・コミュニティ(Compassionate Communities)」という言葉を知ったのは、2018年頃だったと思います。オーストラリアの友人である Terry Ailing さん(チャプレン、スーパーバイザー)から Compassionate Gold Coast の活動について知らされ、現地調査を行いましたが、当時はよく理解できていませんでした。2023年に仙台で開催した日本ホスピス・在宅ケア研究会では、コンパッション・コミュニティを大会テーマとし、すでに国内でこの分野を牽引していた竹之内裕文さん(静岡 大学教授)の尽力により、提唱者である Allan Kellehear さん(オーストラリア出身の医療社会学者)と、イギリスで活躍する Emma Hodges さん(Comassionate Communities UK 理事)を招聘することができました。その後、竹之内さんは Comassionate Communities Japan (COCO-JP)を立ち上げました。
「コンパッション・コミュニティ(Compassionate Communities)」は、その英語名が複数形であるように、単一の団体を指すのではなく、多くの大小の集団をつないでいくことが重要だと思います。例えば、がんの患者会のスタッフは、同じ地域の遺族会の情報をもっているでしょう。しかし、草野球チームにはそんな情報は入りません。でも、たまたまチーム内にがん患者またはその家族がいて、がんがみつかったチームメンバーに情報を教えてあげたら、その人は患者会につながります。このような草の根的な、普段の生活に密着したところでコンパッション(=共に苦を負うこと by 竹之内さん)を行動に移したら、ちょっとした市民のおせっかいが公共のケアにつながります。ここに、コンパッション・コミュニティの意義があるのだと思います。
私が計画している看取り隊は、実際には少人数の活動の積み重ねであり、地域密着型ではありません。しかし、活動した結果として横のつながりができていくこと、そしてこれをモデルとして隊員各自の地域で応用されるこ とを期待しています。
在宅緩和ケアを選択した理由
I choose home-based palliative care to pursue a natural death at home after discontinuing ineffective chemotherapy, which caused "chemobrain" and hindered their intellectual labor. Guided by my background in thanatology and as a Jodo Shinshu priest, I am embracing my own "first-person death" by actively organizing a "final tour" and end-of-life planning while their mind and body remain clear.
住み慣れた自宅で、自分らしく最期まで過ごしたいという 願いは、多くの人にとって自然な想いかもしれません。私はこれまでの研究や看取りの現場での経験を通じて、QOL(生活の質)は、自分らしくいられる環境を選択しました。
それは私の価値観によるところも大きいと思います。上の「症例紹介」で触れていますが、私は術後化学療法(抗がん剤治療)の全4クールのうち1クールで離脱しました。抗がん剤の効果は個人差が大きいようで、私の場合にはあまり効果が期待できないのに副作用が出てきました。特にケモブレインという症状により、私の場合は脳の活動が何割か低下したような感じでした。頭脳労働をしている私には受け入れがたいものでした。
そもそも私は西洋薬による副作用が出やすい体質なので、抗がん剤を使うことにも抵抗がありました。手術を選択するとほぼ自動的に抗がん剤治療がセットになるのですが、せっかくがんになったんだから、経験してみようと思いました。がんという病気と闘っているつもりはありませんが、結局のところ抗がん剤とは闘っていました。
自分自身の死についても、死生学を独学で学び始めた学生時代からいろいろと考えてきました。浄土真宗の僧侶でもあるので、平安時代の二十五三昧会(にじゅうござんまいえ)のような臨終行儀にもあこがれました。安楽死や尊厳死についても学びました。理想的には釈尊の前世物語にある「捨身飼虎(しゃしんしこ)」のように、南アジアの山林の中で修行僧として瞑想生活をしながら、最期は虎のエサになるのもいいなぁと思っていました。バングラデシュの山林で修行している僧侶に会ったこともあるのですが、そこには日本のような医療はありません。むしろそれを選択したいと思っていました。
しかし、現状としてはそのような選択はできなくなっているので、在宅緩和ケアを選びました。おそらく多くの人から見れば、「まだ積極治療の余地がある」と思えるでしょう。実際に知己のある医師たちからは様々なご提案をいただきました。しかし、私の理想はやはり自然死です。そして、長岡西病院ビハーラ病棟での臨床経験などから、「出来ることは体と頭がクリアに動くうちにしておきたい」と思い、ファイナルツアーとして実行してきました。看取り隊やお別れ会も、私のこれまでの研究や学びの成果を実践することです。不思議に思われるかもしれませんが、私は一人称の死を楽しんでいますし、この世を味わいきりたいと思っています。

事前登録申請について

登録サイトを探すのに手間取った方もいるかもしれませんね。最低限必要な情報を理解してもらうために、敢えてそのようにしています。トップページ、「看取り隊について」、そしてこのページの上方もすべてお読みいただきありがとうございます。慎重に丁寧に読み終えた方でないと、看取り隊の隊員には相応しくありません。
事前登録申請は、ページ最下部のボタンを押して、別のサイト(谷山洋三 看取り隊専用サイト)からお願いします。
下のボタンを押すと別サイトに飛びますので、「新規隊員登録」をしてください。私が記憶していない方は、下記の条件を満たしていても隊員登録できないので、自己紹介は詳しく書いてください。
①スピリチュアルケア、グリーフケアの研修プログラムを修了した「教え子」 または、
②これまで共同研究や臨床や社会活動で一緒に活動してきた「仲間」
そして、これは完全な手弁当のボランティアだということもご理解ください。
なお、条件を満たしていても、体力が低下している 私や妻との相性が悪い(例:押しつけがましい、話し出すと止まらない、など)と思われる方については、登録をお断りしたり、訪問時間を制限することがありますので、あらかじめご容赦ください。
また、想像以上に応募者が多いような印象がありますので、1つの予約枠で複数名が参加したり、訪問時間を制限することもあるかと思います。
1人の隊員が複数回訪問できるかどうか、保証できません。ご希望があったとしても訪問は1回だけになるかもしれませんし、0回になる可能性もあります。できるだけ初回者を優先しようと思います。実際のところ最期が近づいたら、看護師さんなど経験者に来て欲しいのですが、そのことを予測することはできませんので、運次第ということでご寛恕ください。できるだけFacebookでの発信はしますので、そこから状況を想像してください。登録された隊員の間では、情報共有できるような形を考えています。
2026年8月初旬現在、まだ元気にしていますが、テスト版として8月から9月にかけて数回のテスト訪問を開始します。こちらにはPASCHと東北大の両方のご縁のある方々「参謀」にお願いしています。
「隊員」の事前登録申請は「第1期募集」として8月17日(月)〜9月7日(月)まで受け付けて、実際の訪問開始は9月下旬以降を想定しています。なお「第2期募集」をするかどうかは保証できませんので、ご理解ください。
The end-of-life care supporter team consists solely of Japanese speakers who are my former students or professional colleagues. Please understand that the cooperation of my family is essential to making this project a reality.
細かいことは検討中ですが、自宅へのアクセス情報は「隊員登録」が完了された方だけにお知らせします。また、訪問予約は訪問日の数日前に締め切ることになると思います。